急性ストレス障害・PTSD

急性ストレス障害やPTSDはストレス関連障害の一種です。ストレス関連障害とは特定しやすいストレスがもとで心身の失調をきたす病気です。大きく分類すると

  • 適応障害
  • 急性ストレス障害
  • 心的外傷後ストレス障害(PTSD)

に分類されます。症状の出現の仕方、程度によって、急性ストレス障害からPTSDに移行したり、適応障害からうつ病に移行したりと診断が変化することもあります。適応障害うつ病についてはそれぞれの項をご参照ください。

急性ストレス障害とPTSDにおけるストレスとは、事故、災害、暴力などの命の危険にさらされるような、明らかに強いショックを受けると推測される非日常的な出来事、いわゆる「トラウマ」を指します。短期的に回復するか、長期的に持続するかで診断で分かれます。

トラウマの場面やシーンが繰り返し浮かぶ、衝撃や感覚が急によみがえったりする、それに影響されて寝つきが悪くなる、悪夢を見る、思い出させたり刺激になるようなものを避ける、アルコールや依存物質に回避する、気分や情緒が不安定になる、などの症状が出現します。

治療

気分安定薬、抗精神病薬などの薬物療法が中心となります。うつ状態の改善が乏しい際や、不安障害などの合併がある際は、限定的に抗うつ薬を併用することもあります。ご本人の苦痛の程度が強い場合や、家族や周囲への影響が大きな際に、入院加療をお勧めすることもございます。慢性的なストレスなどの環境因が影響している際は環境調整、考え方の癖や対人関係を修正する認知行動療法、対人関係療法なども有効です。双極性障害は慢性の病気だということを理解し、適切に気長に治療することが大切です。

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